北の麻酔科医ブログ

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【No.1】末梢神経障害疼痛の患者において即時型プレガバリンと徐放性プレガバリンの比較(非劣性試験)

The Clinical Journal of Pain

Efficady and Safety of a New Sustained-release Pregabalin Formulation Compared With Immediate-release Pregabalin in Patients with Peripheral Neuropathic Pain. A Randomized Noninferiority Phase 3 Trial

May 2022

https://journals.lww.com/clinicalpain/Fulltext/2022/05000/Efficacy_and_Safety_of_a_New_Sustained_release.5.aspx

 

韓国の末梢神経障害性疼痛患者で新しい徐放製剤のプレガバリンが即効製剤のプレガバリンよりも劣っていないかどうかの調査

 

2017年-2018年 韓国の41施設

DM性末梢神経障害 or 帯状疱疹後神経痛(PHN)が対象

1日1回の徐放製剤 or 1日2回の即効製剤

12週間投与

評価項目:毎日の疼痛評価スコア

 

319人の患者のうち、

徐放製剤:154人、即効製剤:165人

2群のスコアの差は0.06:

薬剤に関連する副作用の発生率も 徐放製剤:2.6%、即効製剤:1.1% と有意差なし

 

12週間投与された韓国人においては

徐放製剤は即効製剤と比較して劣っておらず

副作用などの合併症も増えなかった

 

 

<ひとこと>

即効性プレガバリン製剤とは、「リリカ」のこと?

1日2回投与のリリカも、効き始めるまでは2週間程度かかり、即効性はあるとは言えない。

眠気や眩暈の合併症を訴える患者も多いので、朝夕という処方ではなく、眠前1回に出来るのはありがたいことかもしれない。

「一日に何度も薬を飲んだ方が痛み止めが効きそうな気がする」と感じる患者も一定数いそうではある。

患者のキャラに合わせて1日1回製剤と1日2回製剤を使い分けてみたい。